須崎地区森林組合 無災害事業所への取組み

林業現場の労働災害発生率は残念なことに他業種に比べて極めて高い数値であることが現状です。林業の就労人口の少なさにこの数値を当てはめると驚愕に値します。

ただ、林業現場の第一線で働く方々や国、地方公共団体等の努力と支援、指導により安全衛生管理水準は着実に向上しています。当組合は、他に先駆け情報収集から職場全域に展開していく安全・快適な職場作りを目指し全員一丸となって取組みを行っています。

須崎地区森林組合では「労働安全衛生マネジメントシステム」を運用することによって働く人達の健康を守り快適な職場環境つくりに向け安全=利益のスパイラルアップを展開します。

安全な職場にする(ケガや病気のない職場)

安全技術の確実な継承のため、当組合独自の労働安全衛生マネジメントシステムを運用しています。(厚生労働省指針に基づくOSHMS)

安全衛生パトロールの様子

安全衛生パトロールの様子

KY活動記録

事業場ごとに毎朝のミーティング、健康状態、服装、班長の所見等、独自の統一様式で記録しています。

安全衛生日誌

個人が日々の安全作業について実施した内容を記録することで潜在している安全意識を根底から底上げしていくのが狙いです。

重機使用前点検

異常の確認不足によって起こる重機災害の防止につながりまた不具合を早期に発見することで修理費などのコストを抑えることができます。重機の使用前点検は大切な朝一番の仕事です。

安全衛生パトロール

年度計画表に沿って実行します。組合長を中心とした他班構成で現場を点検。普段現場で交流する事のない班同士で積極的な意見交換がその場ででき、また当たり前だったことに対して疑問を持つ事が狙いです。

山奥での一人作業は絶対禁止

急峻な地形の多いこの地域では現場により携帯電話や無線の届かない場所が多くあります。

もし山の中で作業中、重機で転落してしまったら?蜂やマムシに噛まれてアナフィラキシーショックが起こったら?通勤道で車の故障や事故が起こったら?どんな時も頼りになるのが仲間、同僚です。「私たちは常にバディーシステムを厳守します!』

人材教育で災害損失が無くなる

私たちは林業を生業とし、生涯研修を実現します。

施工検討会

施工検討会 担当職員と施工方法を検討中

作業に必要な資格取得

取得後はその資格を活かし、更にその作業の中で学んで技術の向上と安全を確保します。

安全衛生教育・研修

技術・資格の習得も必要ですが、個々が持っている技術や資格について定期的に再教育を受講、慣れや忘れてしまいがちな基本的な安全作業を再認識します。

同業他社による視察、研修

生産性向上の技術研修の為に実施する他組織への視察はもちろん、当組合への視察要望に対しても積極的に受け入れ当組合全体のスキルアップを図ります。

内部教育

毎年行っている当組合の安全大会では、地元安和天満宮様による安全祈祷から始まり、外部講師を招き腰痛体操やアナフィラキシーショック、消防職員による緊急時レスキュー隊の実例など多岐な内容を取り入れ安全活動につなげています。

施工前検討会

その現場に従事する全員参加で実施しています。現場特有の課題をもとに第三者対策、緊急時の体制、各作業責任者を定め、リスクアセスメントにより現場での安全確保等を検討しています。

収益が改善される

生産活動における究極の無駄は事故・災害です

安全教育、研修、装備への投資=利益

事故・災害を起こした場合、それに費やす人手、施工体制の崩壊やロスなどを金銭に換算するとその経営損失は時によっては母体をも揺るがす恐れがあります。災害の大敵であるヒューマンエラー。それを防ぐには働く人の安全管理能力と意識改革が不可欠です。

無災害が続くと安定した経営計画が継続され利益につながります。

決して安全衛生活動は利益の妨げにはなりません。

安全投資ができる

常に安全、流行の矢先に立つ

ユニフォーム

海外製チェーンソー防護ズボン

職人ファッション

その職を突き詰めれば、その作業を行うに最も適切であろう服装が決まってくる。寒波の海、漁師さんが好んで着たセーターはフィッシャーマンセーター。火の中を駆け回る消防士さんが着るコートはファイアーマンコート、どれも定番ファッションです。地下タビ、ニッカも職人が機能を追求した結果の産物なのです!

最先端安全装具の導入

北欧では林業が盛んで人気の職業です。職人達は安全最先端のファッションを身にまとい林業現場で活躍しています。平成24年、当組合では機能性と安全性はもちろんかっこいいチェーンソー防護ズボンとして現場全員にPFANNER(ファナー社)の防護ズボンを支給(安全TOP写真)、平成28年には同社ヘルメット(防護面、イヤーマフ付き)を採用し、チェーンソーが起因となる災害の防止全般に務めています。また、安全装具の購入や設備の導入に対する補助金制度やキャンペーン等を利用し、個々が高額である防護装備の購入に活用しています。

蜂アレルギー検査

平成25年より毎年全員に医療機関で受診、アレルギー反応が出た場合は自己注射器(エピペン)を携帯しています。また仲間が蜂刺されによるアナフィラキシーショックを発症したときの対処などについて定期的に教育しています。

さらに安全・快適な職場になる

収益アップにより安全装具や設備が増える

高性能林業機械の導入

生産活動の機械化は作業の安全化につながります。当森林組合も経営状況を見合わせながら年間計画の中で高性能林業機械を導入しています。収益をもって作業者1人1台重機械類を保有し、生産量のさらなる向上、平行した事故・災害の抑止、リスクの削減を達成していきたいと思っています。

目指せ!確実な昇給

人は生きる為に働く。働く以上は上を目指そう。現状で満足したらおしまい。更に知恵を出し、創意工夫をし、生産性を上げれば、プライドを持って安全に快適な職場ができます。さらに安全・快適な職場になるためには、人に頼った安全ではなく自分から出来る安全活動を実施する、手本になる事が不可欠です。

私たちには責務があります。

林業は若い人たちが地元で仕事をする職業の選択肢の一つにならなくてはなりません。

若い人たちに林業をつなぐ責務があります。

若い人たちに林業の魅力を伝える責務があります。

そして、家族に安心と安定を約束する責務があります。

そのために私たちは安全で快適な林業現場をつくり、そこでプライドを持って職務を全うします。